歯の外傷について 那覇市牧志前島歯科
こんにちは。
那覇市美栄橋近くにあります
いしわたファミリー歯科クリニックです。
今年の4月に開業したのですが
急患で外傷の方が何人かお越しになったので
歯の外傷について書こうかと思います。
歯科で処置を行う外傷には、顔面、唇、歯肉、歯、骨など
があり、今回は歯の外傷について取り上げていきます。
1.歯冠破折
歯の表面が欠けた状態です。
小さく欠けた場合は経過観察することがありますが
冷温水にしみたりしていた場合はプラスチックや被せ物で
欠けた部分を保護します。また、神経まで欠けている場合は
神経の処置を行った後、歯の形態修正を行います。
2.歯根破折
歯肉の中の根っこが折れていて歯がグラグラしている状態。
折れた位置にもよりますが保存可能であれば、歯を2週間程度
固定してその後神経の処置を行います。保存不可能な場合は
抜歯となります。
3.歯の動揺
歯と骨をくっつけている膜が弛んでしまった状態。
動揺が強い場合は針金やマウスピースで固定を行います。
4.歯の陥入
歯ぐきの中に歯が入った状態。
ほとんどの場合自然と出てくるが
数か月経っても出ない場合は外科的に
引っ張り出すことがあります。
5.歯のてい出
歯の元の位置から出てきた状態。
早めに診察を受けれた場合は元の位置に戻して
2週間程度固定すると改善する可能性があります。
6.歯の転位
歯の位置がズレた状態。
咬むとズレた歯が先にあたり咬めない状態に
なることが多いので元の位置に戻して固定を
行います。
7.歯の脱臼
歯が完全に抜けた状態。
抜けた歯を早めに持ってきてもらえれば
入れなおして固定することが可能です。
学校の保健室には保存液がありますので
それに入れて持ってきてもらうか、家庭であれば
牛乳に入れて持ってきてください。
注意点として
①なるべく早く、24時間以内に処置を行う
②抜けたまま持ってきてもらう
(まわりをキレイにしてしまうと再植に必要な
膜を剥いでしまうので再植できません)
歯の外傷にはいろいろと分類わけされていますが
しっかり治療を行えば元の位置に戻る可能性があります。
また、その後の経過もチェックする必要があります。
2,3日後に気分が悪くなったら嘔吐したりと脳への影響も
起こる場合がありますので注意してください。
歯の変色や歯の交換時期に永久歯が出てこなかったり、
乳歯の外傷で永久歯の変色が起こったりもします。
立ち歩きができる1,2歳の時期、外で遊ぶ機会が多くなる
6,7歳の時期、部活などを行う中学、高校生の時期は
注意してください。
同じことを繰り返しお伝えしますが
外傷が起こった時には早めに歯科医院へ受診してください。